船橋市長が「三番瀬を最優先にする」と表明

─第二東京湾岸道路計画をめぐる船橋市議会一般質問─




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 三番瀬に面する船橋市の松戸徹市長は第二東京湾岸道路計画について、「三番瀬を最優先にしていく」とのべた。
 2019年6月10日の船橋市議会において、岩井友子議員(日本共産党)の質問にたいし、市長は「三番瀬は次の時代にきちんと伝えていかなければならない大事な自然ですので、それを最優先にしていく」と答弁した。



船橋市議会のやりとり



第二東京湾岸道路に関する船橋市議会の質問・答弁
─ 船橋市議会令和元年第1回定例会 本会議 一般質問 ─


2019年6月10日
質問者:岩井友子議員(日本共産党)


◇岩井友子議員

 三番瀬の環境や漁業にも影響を与える第二湾岸道路を含めた千葉県湾岸地域の新たな道路ネットワークの具体化に向けた検討会が3月28日に設置されたと報道されています。
 湾岸地域の交通量が減りながら新たな巨大道路の建設そのものに私は疑問をもっています。この計画から三番瀬の豊かな自然環境を守ることが、いま私たち船橋の市民に課せられた使命だと思います。
 これまでも京葉二期埋め立て計画、第二湾岸道路計画と、くりかえし三番瀬の自然が壊される計画がもちあがってきました。そのたびに市民が「三番瀬を守れ」と声を上げ、計画を撤回してきました。三番瀬を守ってきました。
 こういう動きがおこるたびに、私は、ラムサール条約に登録して三番瀬を恒久的に守るしくみが必要だと感じています。また、地元自治体としての船橋市の動きもとても重要だと感じています。
 そこで何点かうかがいます。4月11日に国土交通省と千葉県がこの問題で市長に説明にきたとうかがっています。どういう内容だったのでしょうか。

◆建設局長

 議員の質問にあったとおり、今年の3月28日に国(国土交通省)が千葉県湾岸地区道路検討会を設置し、規格の高い新たな道路ネットワーク計画の具体化に向けた検討がおこなわれました。
 4月11日に国と県のほうから市に説明があったとのことですが、それについては、国土交通省の千葉国道事務所と県の担当部局のほうから市にたいし、3月28日におこなわれた第1回千葉県湾岸地区道路検討会の議論とその結果について説明がありました。

◇岩井議員

 中身についても説明してください。

◆建設局長

 3月28日の第1回千葉県湾岸地区道路検討会の開催結果の概要については、すでに議事録等が公表されています。
 船橋市にかかる事項では、船橋市から千葉市にかかる道路(国道357号や国道14号など)は一般国道でありながら大型車両の割合がすごく多いとか、船橋市を含む湾岸地域のなかでは広範囲で渋滞の損失時間が大きく、また平均旅行速度が低いというような結果をふまえて、この湾岸地区道路検討会の今後の進め方について説明がありました。
 今後の進め方については、三番瀬再生計画との整合性を確保するとか、周辺の開発計画や環境等に配慮しなければいけないというような議論がおこなわれたことや、あわせて規格の高い道路の整備効果をきちんと把握していこうということ、それから最後に、この道路検討会の下部組織として幹事会を設置し、周辺自治体から意見を聴取し、丁寧に検討を進めていくという結果となったという報告がありました。

◇岩井議員

 検討会の設置目的は、湾岸地域におけて規格の高い新たな道路ネットワークの計画を検討するということです。そのなかには第二湾岸道路が含まれています。この規格の高い道路は三番瀬を通過しないわけにはいきません。船橋市域もしくは船橋市の地先を通らなければ、この道路はなりたちません。
 そういう報告をうけて、市長としてはこの計画についてどういうふうに考えますか。うかがいます。

◆松戸徹市長

 第二湾岸道路については、私も突然、1月の新聞報道で知りました。事前に地元・関係市にまったく話がないまま国のほうから発表があったということで、これについては私としても非常に遺憾に思っています。国と県がおみえになったさいも、船橋市としては三番瀬最優先で考える必要がありますし、新しい高規格道路のことだけではなくて、船橋市の場合(船橋市だけではないと思いますが)、たとえば国道357号に接続している道路とか市内の道路など、さまざまな要因があって道路渋滞または時間的損失が発生しているということを申しあげました。
 今後についてです。2月14日に市川市、浦安市、船橋市で県に要望をださせていただきました。これについては、まだ正式なかたちでの説明をうけていないので、そのへんをきちんとやっていただきたい。それから、漁業関係者とか海を生業にしている方たちにたいしても十分な情報提供や説明をしてほしいということを、まず第1弾としてやらせていただきました。
 千葉県全体や関東全体の道路網として国は推進する考えでいると思います。国のほうから示されているのは、ルートもまだ明確に確定したわけではないという話でした。ただ私としては、さきほど冒頭でも申しましたように、三番瀬は次の時代にきちんと伝えていかなければならない大事な自然ですので、それを最優先にしていくということは表明しています。

◇岩井議員

 三番瀬を最優先で考えていきたいということを市長からご答弁いただきましたので、その立場でこれからもしっかりとりくんでいただきたいと思います。
 今年は水神祭に私も参加させていただきました。船橋漁協の組合長さんはあいさつのなかで、第二湾岸道路の問題を心配をしているという発言をされました。船橋市の漁業としても、これからもっともっと盛んにしていきたいし、これからもがんばっていきたい、そういう矢先にこういう計画が持ちあがってくるということで、漁業にもたいへん深刻な影響が懸念されます。
 東京湾アクアラインができたことで漁業にも影響がでているということを、最近になっていろいろなところで聞きます。本当に自然環境はデリケートだな、ということを強く感じています。
 地下にトンネルを掘れば三番瀬に影響がでないかのような暴論をおっしゃるかたもおられます。それでも影響がでるというふうに環境の専門家の人たちは言っています。ですから、三番瀬に影響を与えるこうした計画については、本当に船橋市としても三番瀬最優先でとりくんでいただきたいということを要望しておきます。


(三番瀬を守る連絡会作成)








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