「漁場再生が先」の理不尽をただす

〜三番瀬ラムサール条約登録で県自然保護課長と話し合い〜



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 千葉の干潟を守る会や県自然保護連合など9団体で構成する「三番瀬を守る連絡会」は(2010年)10月28日、三番瀬のラムサール条約登録問題で県自然保護課長と話し合いました。以下はやりとりの一部です。


◎進捗状況

◇連絡会
     第31回三番瀬再生会議(9月21日)において、今年12月までに三番瀬全体の登録をめざすが、それが無理なら船橋側海域の部分登録(先行登録)をめざす、ということが全員一致で合意された。その後の進捗状況を教えてほしい。

◆課長
     10月13日に環境省に出向き、船橋側の部分登録が可能かどうかを検討するためのデータを渡した。環境省のほうで部分登録が可能かどうかを検討中であり、その回答を待っているところだ。
     もしも「部分登録は可能」という回答がくれば、上のほうに判断を仰ぐことになる。


◎漁場再生とラムサール条約登録は矛盾しない

◇連絡会
     9月21日の第31回「三番瀬再生会議」で県が報告した「三番瀬再生事業評価案」では、ラムサール条約登録について「ほとんど達成されなかった」とし、その内容として、「三番瀬全体の取り組み(特に漁場再生の取り組み)が進展しないと、ラムサール条約への登録促進(その前提としての国指定鳥獣保護区特別保護地区の指定)は難しい状況です」と記されている。
     これは、「漁場再生とラムサール条約登録は矛盾しない」としてきたこれまでの県の回答と矛盾している。

◆課長
     それは、市川市の2漁協がそういう見解なので「難しい状況」と書いたものだ。この記述は誤解を与えるので、文言を修正することにしている。


◎市川市2漁協の反対について

◇連絡会
     その後、市川市の2漁協(市川市行徳・南行徳漁協)と話し合いをしたのか。

◆課長
     9月22日に両漁協と話し合いをもった。ラムサール条約登録に関する意向を聞いたら、いままでと同じ回答だった。「漁場再生が先」ということだ。

◇連絡会
     両漁協は、ラムサール条約登録に反対する理由として、「漁場再生が先」とか「昔のような良い海になれば登録も考えられる」と言っているとのことだが、これはおかしい。なぜなら、同漁協は、隣接の浦安地区埋め立てによって漁場環境が悪化したとして、県から多額の損害金をもらっているからだ。
     とくに市川市行徳漁協は、市川側海域の全面埋め立て(市川2期埋め立て)に賛成し、漁業権を全面放棄した場合の漁業補償費相当分(利息を含めて101億円)をもらった。市川2期埋め立て計画は中止になった。しかし、同漁協は、前述の損害金とあわせ、116億円を県(企業庁)からもらった
     県は南行徳にも損害賠償金として6億円を支払った。
     それなのに、両漁協が「漁場再生が先」と言ってラムサール条約登録に反対するのはまったく理解できない。
     県は、同漁協に対してそういう話はしなかったのか。たとえば、市川市行徳漁協に対しては、「116億円も払ったのだから、ラムサール条約登録に同意してほしい」ぐらいは言うべきではないか。

◆課長
     そんなことを言ったら話し合いそのものができなくなる。

◇連絡会
     3つの漁協の組合員数を教えてほしい。

◆課員
     資料によれば、市川市行徳漁協は正規組合員27人、准組合員27人の合計57人、南行徳漁協は正規組合員のみ59人(准組合員はゼロ)、船橋漁協は正規組合員160人、40人の計200人となっている。

◇連絡会
     160人の正規組合員を要する船橋漁協は、三番瀬でずっと漁業が続けられるように、とラムサール条約登録推進の決議をあげた。ところがそれより組合員数の少ない漁協が反対しているために、三番瀬の恒久保全策が講じられない。
     はっきりいえば、27人とか59人の人たちによって、三番瀬の命運が左右されていることになる。三番瀬はこれらの人たちだけのものではないはずだ。三番瀬の恒久保全を願っている多くの県民の意向はまったく反映されない。これには納得できない。

◆課長
     漁協が同意してくれないかぎり登録はできない。

◇連絡会
     2漁協は「漁場再生が先」と言っているようだが、どういう状態になったら漁場が再生されたことになるのかは、まったく明らかにされていない。これは“終わりがない”ということであり、三番瀬のラムサール条約登録は永遠に不可能ということになる。
     ごく少数の人たちの意見でそうなることは理不尽ではないか。しかも、この人たちは、莫大な額の漁業補償費相当額や漁場環境悪化による損害賠償費をもらっている。

◆課長
     (漁協に対して)そんなことは言えない。

◇連絡会
     市川市行徳漁協は正規の漁業権を有したままだから、市川側海域で公共工事(埋め立てや道路建設など)がおこなわれたら、ふたたび漁業補償費をもらうことができるのか。公共工事が発生するたびに何度でも漁業補償費をもらえるということか。

◆課長
     制度上はそうなる。

◇連絡会
     2漁協がラムサール条約登録に反対する本当の理由はそこにあるのではないか。ラムサール条約登録の前提として国指定鳥獣保護区特別保護地区に指定されれば、埋め立てや道路建設などが規制されるからだ。


◎足元の生物多様性を保全してほしい

◇連絡会
     いま、名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開かれており、千葉県もブースを出して生物多様性保全の大切さや県のとりくみをアピールしている。
     しかし、生物多様性が豊かな三番瀬は、恒久保全策が講じられていない。日本屈指の自然景観や生態系を残している盤洲干潟も、いまだに自然環境保全区域に指定されておらず、開発の危機にさらされている。九十九里浜の生物多様性や生態系も公共土木工事でどんどん破壊されつつある。
     このように生物多様性が危機に瀕している場所の保全策を講じてほしい。三番瀬を恒久的に保全するため、ラムサール条約登録湿地になるよう、もっと強く働きかけてほしい。

◆課長
     県(自然保護課)は努力している。





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