三番瀬ラムサール登録賛成議案を可決

〜船橋市漁協の臨時総会〜



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 (2008年)3月15日、船橋市漁協(船橋市漁業協同組合)が臨時総会を開き、三番瀬のラムサール条約登録に賛成する議案を賛成多数で可決しました。
    《船橋市漁業協同組合(大野一敏組合長)は15日、臨時総会を開き、漁場とする浅瀬・干潟「三番瀬」のラムサール条約への登録について組合として賛成する議案を賛成多数で可決した。
     採決の結果は賛成64、反対32。大野組合長は「条約登録に賛成することで議案は成立したが、反対もまだ多い。勉強会などを通して理解を深めてもらえるよう努力したい」と述べた。
     総会で大野組合長は「次世代に漁場を残すためにラムサール条約に登録して、三番瀬を埋め立てようとする動きに対する歯止めにしよう」などと賛同を呼び掛けた。組合員からは「野鳥が漁の害になった場合に対処できるのか」「将来、登録のデメリットが出てくるのではないか」など不安視する質問も相次いだ。》(『東京新聞』千葉版、3月16日)

    《船橋市漁業協同組合(大野一敏組合長)は15日、船橋市の同漁協で臨時総会を開き、漁場としている三番瀬のラムサール条約登録に賛成することを決めた。
     同漁協によると、ラムサール条約登録することで、海産物のブランド化を図っていきたいという。三番瀬海域の埋め立ての決定権が県側にあることから、登録によって埋め立てへの予防線としたい考えもあるという。
     一方、登録に反対する組合員もいることから、大野組合長は「今後も説明、説得していきたい」と話している。》(『毎日新聞』千葉版、同)

    《東京湾に残された貴重な浅瀬「三番瀬」のラムサール条約登録を巡り、船橋市漁協(船橋市湊町)は15日、臨時総会を開き、組合として同条約登録推進を訴えていくことを賛成多数で議決した。(中略)
     この日の総会で同漁協の大野一敏組合長は、「組合として、(同条約に)登録することで三番瀬を守り、漁場を次世代に引き継ぐことが大切」などと訴えた。  これに対し、出席者からは「漁獲量の減少など、漁業への影響は大丈夫なのか」「環境団体との衝突はないのか」などの意見が出たが、大野組合長は「漁業には影響はないと考えている。未知な部分や心配な点もあると思うが、埋め立てられてしまった後では議論も出来なくなる」と説明。賛成64、反対32で議決された。
     組合では今後、「埋め立てに反対している点では意見が一致している」として、今回反対に回った組合員にも、条約登録への理解を求めていく考えだ。》(『読売新聞』千葉版、同)


■市川側の2漁協はどう?

 これは三番瀬保全にとって明るいニュースです。
 しかしながら、三番瀬市川側の2漁協(行徳漁協、南行徳漁協)が賛成するのはむずかしいのではないか、といわれています。


■堂本知事は、ラムサール登録申請見送りを表明

 さらに、堂本知事は三番瀬のラムサール早期登録を否定しています。
    《国際的な重要湿地の保全を目的とする「ラムサール条約」への東京湾・三番瀬の登録について、堂本暁子知事は29日、漁業関係者など地域の合意がはかれないことなどを理由に今秋韓国で開かれる締約国会議への申請を見送る考えを明らかにした。
     千葉市であった三番瀬の再生をテーマにした国際フォーラムの会場で、朝日新聞社などの取材に答えた。》(『朝日新聞』千葉版、1月30日)


■船橋側の先行登録も否定

 船橋市漁協の大野組合長は、三番瀬の船橋側だけでもラムサール条約に登録してほしいという意向を表明しています。
 これについても、県(堂本知事)は否定しています。
 自然保護8団体が知事に質問書を提出し、「船橋側だけでもラムサール登録の手続きを進めることは可能か」と質したことについて、知事は2月28日、「ラムサール条約の登録については、三番瀬全体を一体的に捉えるべきものと考えます」と回答し、船橋側の先行登録申請も拒否しました。


■知事がラムサール登録を否定する理由

 何度もお知らせするように、県(堂本知事)が三番瀬のラムサール早期登録に否定的なのは、なんとしてでも第二東京湾岸道路を三番瀬に通したいからです。
 2月定例県議会では、与党の民主党が、新年度予算案に反対する方針を決めました。それは、予算案に、ガソリン税の暫定税率を維持する租税特別措置法改正案の成立を見込み、暫定税率の上乗せ分218億1500万円が盛り込まれているからです。
 民主党などの批判意見に対し、堂本知事は、暫定税率維持の必要性を繰り返すばかりです。
    《堂本知事は開会中の県議会で「道路特定財源の暫定税率が延長されない場合、首都圏中央連絡自動車道、東京外郭環状道路、北千葉道路などの完成が大幅に遅れるおそれがある」と繰り返し答弁。民主党は「知事は真っ向から我々の主張に反対している」と不満を募らせていた。》(『読売新聞』千葉版、3月14日)
 ご覧のように、堂本知事は、大型道路の推進を県政の最優先課題としています。ですから、形の上では「野党」となっている自民党も予算案に賛成しつづけているのです。
 堂本県政が推進する大型道路のネットワーク(首都圏道路ネットワーク)の中には、第二湾岸道路もガッチリ組み込まれています。この道路の用地は三番瀬で中ぶらりんとなっています。
 堂本知事は、「第二湾岸道路は必要な道路」と言い続けています。ですから、道路ができるまでは「ラムサール登録の申請をしない」という方針を貫いているのです。
 また、「再生」という名で、猫実川河口域(三番瀬の市川側海域)の人工干潟化実現に躍起となっているのも、人工干潟の地下に第二湾岸道路を通そうとしているからです。


■「漁業者の同意が得られない」はウソだった

 しかしながら、県はこれまで、漁業者の同意が得られないことを口実にして、ラムサール登録の手続きや調整をさぼってきました。
 今回の船橋市漁協の賛成議案可決で、それはウソであることが判明しました。





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