三番瀬・猫実川河口域は生き物でにぎやか

〜市民調査で57種類の生き物を確認〜




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 「三番瀬市民調査の会」は(2006年)3月4日、三番瀬・猫実川河口域の定例市民調査をおこないました。今年(2006年)はじめての調査で、参加者は17人です。

 この調査は2002年3月から実施しています。調査の目的は、地元の市川市や漁協などがこの海域を「ヘドロの海」だとし、覆砂して人工海浜や人工干潟にすることを提唱しているため、本当はどうなのかを明らかにすることです。

 今回は、今年(2006)はじめての調査です。
 猫実川河口域は、相変わらず、生き物たちでにぎやかでした。天然のカキでできた広大なカキ礁のまわりに泥干潟があらわれ、あちこちで、イシガレイやギンポ、チチブの稚魚をはじめ、エドハゼ、マハゼ、アカガイ、アカニシ、イソガニ、ガザミ、アナジャコ、ブドウガイ、スジエビなどたくさんの生き物を発見することができました。

 調査項目は次の5つです。
  • カキ礁
  • 酸化還元電位
  • アナジャコ
  • 塩分
  • 生き物

■5地点ともプラスの値
  〜酸化還元電位〜

 底泥の酸化還元電位は、これまでと同様、5地点を測定しましたが、すべての地点がプラスの値でした。底泥に酸素がたくさんあって、生き物が生息しやすい環境であることが明らかになりました。


■57種類の生き物を確認

 生き物は57種類を確認しました。特徴は、次の点です。
  • イシガレイやギンポ、チチブなどの稚魚をたくさん見られたこと。とくに、イシガレイとギンポの赤ちゃんは、カキ礁周辺の小さな潮だまり(タイドプール)などでたくさん泳ぎ回っていて、何匹も採取しました。
  • 体長13センチのアナジャコを採取しました。これまでの調査で最大です。


■イシガレイの赤ちゃんがとても可愛いかった

 参加者からは、つぎのような感想がだされました。
    「イシガレイの赤ちゃんがとても可愛く、またたくさんいたのが印象的だった。これは、いまの季節だけに見られる風物詩だ」
    「酸化還元電位を測定し、猫実川河口域は堆積傾向にあるように感じた。また、底泥は、これまでよりもしまっている(固くなっている)ように感じた」
 以下は、今回の調査で確認した生物です。


◎二枚貝
  アカガイ、アサリ、ウネナシトマヤガイ、コウロエンカワヒバリガイ
  ミドリイガイ
◎巻き貝
  アカニシ、アラムシロガイ、タマキビ
◎カニ
  イソガニ、イッカククモガニ、ガザミ、ケフサイソガニ、ヒライソガニ
◎ゴカイ
  アシナガゴカイ、イトメゴカイ、ゴカイ、ツバサゴカイ
◎エビ
  スジエビ、ヨコエビ類
◎クラゲ
  アカクラゲ、シミコクラゲ
◎魚
  イシガレイ、エドハゼ、ギンポ、チチブ、ニクハゼ、ボラ、マサゴハゼ
  マハゼ、ミミズハゼ
◎海藻・海草
  オゴノリ、ボウアオノリ
◎鳥
  オオバン(100羽)、カモメ(50羽)、カワウ(30羽)、カンムリカイツブリ(50羽)
  スズガモ(2000羽、猫実川河口域外では約1万羽を確認)、セグロカモメ(5羽)
  ハシブトガラス(2羽)、ハシボソガラス(2羽)、ハジロカイツブリ(30羽)
  ヒドリガモ(100羽)、ホシハジロ(30羽)、ミミカイツブリ(1羽)
  ユリカモメ(200羽)
◎その他
  アナジャコ、アミ類、ウロコムシ、カイメン、クロガネイソギンチャク、
  ドロクダムシ、シロスジフジツボ、シロボヤ、ブドウガイ、ミジンコ類、
  ユビナガホンヤドカリ、ワレカラ



(2006年3月) 













イシガレイの赤ちゃん。泥干潟の小さな潮だまりなどにたくさんいました。








底泥の酸化還元電位を測定








カキ礁の周りに現れた広大な泥干潟








ブドウガイはねばねばしたひものようなものを後ろに長くつけます。アオサを食べるそうです。








ミミズハゼ








アナジャコの巣穴の数を調査。1平方メートルあたり200前後の巣穴が確認されました。








体長13cmのアナジャコ








ガザミ








アカガイ。殻の表面に42本前後(41〜43本)の放射肋(ほうしゃろく。放射状の溝)があります









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