第二湾岸道路もちょっぴり議論

〜第14回三番瀬「護岸・陸域小委員会」〜




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 (2003年)7月17日に開かれた第14回三番瀬「護岸・陸域小委員会」では、第二湾岸道路(第二東京湾岸道路)もちょっぴり議論になりました。

 この道路計画は、三番瀬の保全と深くかかわっています。つくるとすれば、どうしても三番瀬を通らざるをえないからです。

 第二湾岸道路はすでに浦安市、習志野市、千葉市の埋め立て地に用地が確保されています。市川側と船橋側は三番瀬の埋め立て予定地を通過する計画になっていましたが、埋め立て計画の白紙撤回で宙ぶらりんになっています。
 実は、1999年6月に三番瀬埋め立て計画が740haから101haに縮小されましたが、この101ha計画は、第二湾岸道路の用地を確保するためのものでした。堂本知事は、埋め立て計画を白紙撤回しましたが、第二湾岸道路は積極推進です。財界(大企業)、自民党、地元自治体も積極推進です。

 しかし、これまで、円卓会議では第二湾岸道路に関する議論はされませんでした。私たちは、三番瀬計画と深く関わるこの道路について円卓会議で議論するよう要請しました。しかし県は、「第二湾岸道路のルートや構造などは、円卓会議で作成される再生計画をみて決める」と答え、円卓会議での議論を避けつづけています。これは、円卓会議のひとつの大きな問題点です。

 では、第14回三番瀬「護岸・陸域小委員会」での第二湾岸道路に関するやりとりを一部紹介します。






《第14回三番瀬「護岸・陸域小委員会」》


「今後検討すべき検討事項」についての議論



◇佐藤フジエ委員(市川商工会議所会頭)
 「とりまとめの中には、第二湾岸道路や下水道終末処理場の問題も含めるべきではないか」


◇倉阪秀史氏(アドバイザー、千葉大学助教授)
 「第二湾岸道路と終末処理場の件も、なんらかの形でふれることになる。しかし、十分に議論してこなかったので、おのずと書けるものは限られる。たたき台を私と山北委員でつくり、それを次回の小委員会で提示したい」


◇本木次夫委員(船橋市自治会連合協議会副会長)
 「私は、この小委員会のスタート段階から消化不良の感じがしている。たとえば下水終末処理場の問題がある。先日開かれた河川ワーキンググループでは、高瀬処理場(船橋市の下水処理場)から三番瀬に放流される塩素の問題をどうするかということが話された。この小委員会のとりまとめでは、こういう問題も含めてほしい。また、第二湾岸道路の問題についても、精査すべきという意見と、円卓会議でとりあげるべき問題ではないという意見がある。こういうものを議論しないで、とりまとめに入っていいのだろうか」


◇倉阪秀史氏
 「(昨年末に作成された)中間とりまとめでは、円卓会議では第二湾岸道路と下水処理場の扱いも明らかにすべきとなっている。したがって、なんらかの記述が必要になる」


◇佐藤フジエ委員
 「第二湾岸道路と下水処理場の問題を議論するワーキンググループがない。本木委員が消化不良をおこしていると話されたが、本当にそのとおりだ。しっかりと議論し、とりまとめに盛り込むべきだ」


◇三橋福雄委員(NPO法人不動産コンサルティング協会理事長)
 「当初から、第二湾岸道路と下水処理場の問題はふれないほうがいいというニュアンスできている。とくに第9回円卓会議では、岡島成行会長が、そんなものを議論すると空中分解するというようなニュアンスのことを話された。そのため、みんなの頭になんとなく重石(おもし)が乗っかっているような感じになっていて、ストレートな意見を言えなかった」
 「とりまとめの中に第二湾岸道路を記述するということであれば、第二湾岸道路はいったいどういうものなのかについて、いま分かっていることを説明してほしい。私は、第二湾岸道路がどこを通るのかを知りたくて、道路調査事務所に行った。しかし、『第二湾岸道路というのは存在しない』と言われた。その一方で、『あちこちに第二湾岸道路の有力な候補地はある』とも言われた」
 「第二湾岸道路がいいとか悪いとか結論をだすのは無理かもしれない。しかし、もう少し情報を公開してほしい。そうでないと、検討ができない。それをしないで、とりまとめになんらかの記述をするというのは、強引すぎるというか、いい加減だと思う」


◇岡本孝夫委員(コーディーネーター、浦安市自治会連合会会長)
 「第二湾岸道路の問題については、第9回円卓会議で岡島会長が次のように話された。『第二湾岸道路の問題や下水処理場の問題など、個々の問題もたくさんある。それを一つひとつ議論していったら円卓会議そのものが動かなくなる。だから、まず第一に、円卓会議で三番瀬をよりよいものにしようということを決め、次に、決めたことがひっくり返されないように制度的担保を入れる。いま、その二段構えできている』と」
 「したがって、この問題は我々がここで検討するのではなく、円卓会議(親会議)で考えていただくことにしたほうがよいと思う」


◇倉阪秀史氏
 「少なくとも、ここで夢を描いたことがひっくり返されないようにしてほしいということは、言わなければならないと思う。第二湾岸道路の建設によって三番瀬再生計画がおじゃんになるようなものであれば、なんのためにここで議論しているのかということになる」


◇磯部雅彦氏(オブザーバー、東京大学大学院教授)
 「第二湾岸道路と下水処理場について、最低限の知識をもつことは必要である。しかし、それは、あくまでも、三番瀬の再生という観点からみてこうしてほしいという希望をのべるためのものである。道路については、交通需要などの問題も検討しなければならない。したがって、“こうしない”という結論はだすことができない」


◇大浜 清委員(千葉の干潟を守る会代表)
 「たとえば流域下水道は根本的な問題がある。円卓会議で結論はだせないかもしれないが、三番瀬のためにという観点から疑問や問題点はあげていく必要があるのではないか」

(文責・千葉の干潟を守る会)   







 
















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