パブリックコメントも会場発言も無視!

 環境問題もまったく議論なし

    〜第9回「三番瀬再生会議」〜



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 三番瀬再生会議の第9回会合が(2005年)12月27日、浦安市内で開かれました。主な議題は、市川塩浜地区護岸改修事業の事業計画案と実施計画案です。


■環境問題はいっさい議論なし
  〜バブリックコメントの意見も無視〜

 多種多様な生き物が生息する三番瀬海域の一部をつぶす事業なのに、例によって環境問題はいっさい議論されません。
 会合では、パブリックコメント(パブコメ。意見公募)の22人の意見を載せた資料も配布されました。
 パブコメでは、大部分の人が、護岸改修工事によってたくさんの生き物が死滅することを危惧し、海に張り出す護岸改修に反対を表明しています。いまの直立護岸の形で改修することや、陸側を使う護岸構造にすべきなどと、多くの人が述べています。
 しかし、こうした意見はいっさい無視です。
 議論の結果、護岸改修工事と並行して生物などのモニタリング調査を実施することと、調査結果などをもとに護岸構造を再検討するという「順応的管理」の実施が加筆されただけで、ほぼ原案どおりに計画案を承認しました。


■会場から批判の意見

 承認した後にやっと、会場からの発言が確保されました。
 最初に、大浜清さん(元円卓会議委員、千葉の干潟を守る会代表)が、再生会議の議論内容や運営をきびしく批判しました。
     「パブリックコメントの結果をなぜ無視するのか。パブコメは県民参加のいちばん大切な部分である。それを生かさないのならば、パブコメをおこなった意味がない。これをどう考えるのか」
     「パブコメでは、三番瀬の生態系はどうなるのかという意見が数多く寄せられている。そういう意見に回答すべきではないか」
     「“海と陸の連続性”という言葉がねじまげられて使われている。これは、本来、水の連続性であるべきなのだが、そうではなく、“人が海に入れる”ということにすりかえられている。これは“親水性”であって“連続性”ではない。海に砂を入れることが“連続性”にすりかえられている。これはあとで問題になるで、きちんと回答してほしい」
 つづいて、今関一夫さんはこう述べました。
     「事業計画案では、環境に配慮した石積み護岸をつくると書いてある。しかし、護岸建設によってたくさんの生き物が死滅する。こういう点の配慮がまったくされておらず、たんなる土木工事になっている。これは三番瀬の再生事業としてふさわしくないので、やめてもらいたい」
 最後に発言したのは星野亘良さんです。
     「今後、評価委員会を発足させるというが、それをしっかり機能させることが重要である。委員は県が選考中とのことだが、県が選ぶのではなく、この再生会議が選ぶべきである」


■会場発言やパブリックコメントは形だけ

 3人の発言が終わったら、大西隆会長がこう言いました。
     「ありがとうございました。それでは、次の議題の報告事項に入ります。県のほうから報告してください」
 まったくヒドイの一言です。バブリックコメントに寄せられた意見は手続きとして単に聞き置くという扱いです。会場からの発言もまったく同じです。形だけのパブコメであり、形だけの会場発言です。これでは「県民参加」は完全に形骸(けいがい)化です。
 傍聴していたある方は、「再生会議の運営は、円卓会議のときよりもかなりヒドくなっている」と言いました。これが、「県民参加型の三番瀬再生会議」の実態です。



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