“生き物の宝庫”を子どもたちに残そう

〜「“干潟まつり” 2002 三番瀬海辺のつどい」に800人〜



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 3月31日(日)、船橋海浜公園前の三番瀬で「“干潟まつり” 2002 三番瀬海辺のつどい〜見る!踊る!食べる!遊ぶ!作る!学ぶ!歌う!」が開かれました。主催したのは、同実行委員会と「三番瀬を守る署名ネットワーク」です。好天の下、800人が参加。自然観察会、音楽演奏、踊り、展示、模擬店、凧つくり、宝さがし、俳句づくりなど、さまざまな催しを楽しみました。


●“生き物の宝庫”を実感

 最初の催しは「三番瀬の自然観察会」です。参加者の大半は、三番瀬を初めて訪れた人です。千葉県野鳥の会の杉本秀樹さんらの案内で、干出した干潟を歩き、カニ、貝、海草、ゴカイ、鳥、けい藻など、たくさんの生き物を観察しました。

 干潟をよくみると、砂とまったくおなじ色をした小さなコメツキガニがたくさんいます。オサガニもたくさん発見しました。急に近づくとこれらのカニが急いで穴にもぐります。「あわてて別のカニの穴に入り込んでしまう場合もある」と聞いて、子どもたちから笑いがでました。
 「三番瀬は干出した砂が非常にやわらかい。これは生き物がたくさん棲(す)んでいることを示している。これに対し、人工干潟は一般に砂がしまっていて固い。それは生き物が少ないからだ」などの説明を聞きながら、じっさいに干潟の砂を手やスコップで掘り、ゴカイやカニなどたくさんの生き物が生息していることを実感しました。

 3万羽以上というスズガモの大群もみることができました。黒い雲のように巨大な群れをつくって飛ぶスズガモをみて、歓声があがりました。「三番瀬にやってくるスズガモの数は、日本全国の3分の1を占める。スズガモの大群は冬の風物詩となっているが、日本では三番瀬でしか見られなくなった」との説明を聞き、三番瀬の自然の貴重さを確認しました。


●躍動感あふれる踊りなどが次々と披露

 観察会のあとは、砂浜に設けられた舞台で歌や踊りなどがくりひろげられました。関東近県で沖縄文化を広めようと活動している「エイサーシンカティダ」と「チャンプラーズ」は、沖縄音楽や躍動感あふれる踊り「沖縄エイサー」を披露。「沖縄はすばらしい自然を擁しているが、泡瀬干潟にみられるように、それを破壊する事業があいかわらずつづけられている。自然を守らなければ地球は滅んでしまう。きょうは、東京湾に残された貴重な干潟“三番瀬”を守ろうとかけつけた」などと語りながら、島唄などを歌ったり、さまざまな踊りを踊ってくれました。
 地元船橋市の「ばか面踊り愛好会」のみなさんによる楽しい「ばか面踊り」なども披露されました。


●「みんなの三番瀬を大切にしましょう」

 踊りや歌のあとはリレートークです。多くの参加者から、三番瀬や全国の干潟への思いや自然を守る決意などがつぎつぎと語られました。以下はその一部です。
  • 「昨年9月の三番瀬埋め立て計画中止決定は、30万人もの方が署名をしてくださったおかげです。海や干潟はだれのものでもなく、みんなのものです。だから、みんなで大切にしましょう。私たちは、わずかに残された貴重な干潟や浅瀬は残し、すでに埋め立てられたところを湿地にもどすことを提案しています」(千葉の干潟を守る会・大浜清さん)
  • 「きょうのつどいはたいへん楽しく感じました。沖縄の関係者の方々がたくさん参加してくれましたが、沖縄では泡瀬干潟が危機にひんしています。全国の干潟を守るために協力と連携を強めましょう」(三番瀬を守る署名ネットワーク・竹内壮一さん)
  • 「三番瀬は、市川側にも生き物がたくさんいます。4月28日には、市川側で鳥のカウント調査や底生生物、魚の調査がおこなわれるので、多くの方の参加をお願いします」(行徳野鳥観察舎友の会・石亀明さん)
  • 「神奈川の藤沢市からやってきました。きょうの観察会に参加して、三番瀬には生き物がたくさんいることを実感しました。私たちは、50頭ぐらいに減ってしまった沖縄のジュゴンをなにがなんでも守らなければならないということでさまざまなとりくみをおこなっています。三番瀬を守る運動などと連携をつよめたいと思っていますのでよろしくお願いします」(ジュゴンキャンペーン湘南・高畑宅二さん)
  • 「私たちは、“ジュゴンと一緒に安心して暮せる、平和で美しい環境を守ろう”と、“ジュゴン保護キャンペーン千葉”をたちあげました。とてもすばらしい三番瀬を守るためにいっしょにがんばりましょう」(ジュゴン保護キャンペーン千葉・椎名けい子さん)
 このほか、三番瀬ヤミ補償裁判(三番瀬公金違法支出訴訟)にとりくんでいるメンバーや、沖縄のジュゴンを守るために活動しているメンバー、玉川上水の保全活動にとりくんでいる方などたくさんの方から、思いや決意などが語られました。

 リレートークのあと、三番瀬を題材にした俳句づくりの結果が発表されました。たくさんの応募があり、選考の結果、つぎの4点が特選になりました。

  • 忘れ潮 掬(すく)へば 風の光りけり(三橋泥太)
  • 春の海 干潟に湧きし 生命(いのち)かな(福井康良)
  • エイサーが 結ぶ泡瀬よ 三番瀬(竹川未喜男)
  • 春の日に 波おだやかな 三番瀬(鈴木恵子)









千葉県野鳥の会の杉本秀樹さんらの案内でさまざまな生き物を観察。








干潟を掘ってカニやゴカイなどをたくさん発見。子どもたちは、三番瀬が“生きている干潟”であることを実感し、大喜びだった。








太鼓をたたきながら踊るダイナミックな沖縄伝統芸能「エイサー」を披露してくれた「エイサーシンカティダ」のみなさん。








沖縄の音楽をたくさん歌ってくれた「チャンプラーズ」のみなさん。








地元船橋市の「ばか面踊り愛好会」のみなさんによる楽しい「ばか面踊り」。








好天下の「つどい」に800人が参加。自然観察会、音楽演奏、踊り、展示、模擬店、凧つくり、宝さがし、俳句づくりなど、さまざまな催しを楽しんだ。








「行徳野鳥観察舎友の会」の石亀明さん。石亀さんはリレートークで「三番瀬は、市川側にも生き物がたくさんいます」と語り、市川側での鳥のカウント調査や、底生生物、魚の調査などを紹介した。








「ジュゴン保護キャンペーン千葉」の椎名けい子さん。椎名さんは、リレートークで沖縄のジュゴンを守る活動を紹介し、「とてもすばらしい三番瀬を守るためにいっしょにがんばりましょう」などと述べた。








沖縄・泡瀬干潟や三番瀬の自然や保全運動などを紹介した展示コーナー。









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