三番瀬再生会議は公共工事の検討・推進機関

〜生態系保全が目的ではない〜

石井伸二



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 「三番瀬円卓会議」や「三番瀬再生会議」(円卓会議の後継組織)は県民参加をうたい文句にしている。
 しかし、この「県民参加組織」は、三番瀬を保全するとか、三番瀬の自然をよりよいものにするということを目的にしているものではない。
 それは、この間の議論をみれば一目瞭然である。三番瀬の生態系や環境問題にかんする議論はまったくといってよいほどされないのである。


●「公共工事のあり方のモデルにしたい」の意味

 つまり再生会議は、護岸改修工事などを三番瀬でどのように進めるのかという公共土木工事の検討機関あるいは推進機関になっている。この点は堂本知事自身がはっきり述べている。
 「全国に類を見ないやり方ではあるが、新しい時代にあった公共事業の進め方のモデルにしたい」(円卓会議発足について。『千葉日報』2002.1.29)
 「今後の公共工事のあり方のモデルにしたい」(同。『読売新聞』2002.4.7)
 堂本知事は、自然環境保全策を検討するとか、保全のあり方のモデルにしたいなどとは一度も言ったことがない。


●三番瀬の公共工事は「1兆円規模」

 堂本知事は2004年に三番瀬保全団体のメンバーと懇談した際、こんなことを述べたそうだ。 「三番瀬事業はとてつもない大きな規模の公共事業になる。1兆円の規模である」
 その内容までは言明しなかったが、護岸改修(石積み護岸+人砂浜造成)や、「漁場再生」(人工干潟造成や漁港建設など)、さらには第二湾岸道路建設を念頭においているのだと思う。
 このようにみれば、三番瀬の生態系は、護岸工事や人工海浜造成、第二湾岸道建設などの公共工事によって危機に瀕していることがわかるだろう。
 「堂本知事はそこなことはしないはず」とか、「再生会議には環境派学者や環境団体の代表が何人も加わっているから大丈夫」などと考えるのは、とんでもない誤りである。それは、今後の展開をみればますます明らかになるはずである。

(2006年1月)   






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